おとな研究所は新しくなりました!

兵庫県議選・宝塚選挙区補欠選挙は維新・自民が勝利  選挙結果を読み解くと ・・・

維新の会元職は1ヶ月ぶりの返り咲き、自民党元市議も当選

定数2を自民党や維新の会など5人の候補者で争った兵庫県議会宝塚選挙区補欠選挙は昨日投開票が行われ、結果日本維新の会元職の門隆志さんが1万5929票を集めトップ当選、自民党新人の風早寿郎さんが1万3461票で2位で初当選を果たした。立憲民主党や共産党の新人らは及ばなかった。

今回の補欠選挙は先月行われた宝塚市長選に自民党と日本維新の会現職の同市選出の県議会議員が立候補し自動失職したことに伴うもの。維新の会は市長選挙に立候補し惜敗した門氏を擁立した為に一部異論がでた模様ではあるものの無事1ヶ月ぶりに県議会議員に返り咲き有権者の信を得たと言えるだろう。(低得票率ながら2年前の県議選より票を増やしたことに注目、後述)ただ、自身の影響で行うことになった補欠選挙で再び議席を取りに行く姿に納得のいかなかった支持者も少なからずいたことも事実ではないか。

詳細分析・結果

今回の補選結果を2年前の本選の結果を元に読み解いていきたいと思う。

今回トップ当選を果たした維新の門氏。低投票率ながら得票数ベースでは4000票程増やし、得票率換算では12%も伸ばし躍進した。19年参院比例維新得票率(24・45%)を超え、選挙区の清水貴之(維新参院議員)が獲得した得票率とほぼ同水準を獲得した。19年大阪W選挙の影響で維新に追い風が吹いており、選挙ブーストが到来中のあの19年参院選の結果に匹敵する数値を地方選挙で(維新単独で戦い)獲得したことは、いくら門氏が市長選で出馬したことで知名度を上げたとはいえ、次期衆院選にも大きく影響する事態へと発展したことは事実だ。

※日本維新の会からは、元衆院議員の市村氏が宝塚市を含む兵庫6区域から出馬予定。6区に含まれる伊丹市や川西市で宝塚同様票を伸ばした場合は小選挙区では厳しい可能性が高いが、比例で復活当選圏内入りする可能性が高くなっただろう。

市長選に続き自民党が想定以上に票が伸びなかったことに目が行き届く。得票率ベースでは2年前の本選よりも1ポイント程上昇したものの、トップ当選を果たすことはできなかった。コロナ対応への不満から生じている内閣支持率の減少が大きく影響しているだろう。また、共産党が大幅に得票を減らしたことにも注目だ。現職の県議がいる中、なぜ新人候補を擁立したのかその戦略に疑問点が残る。立憲民主党は参院選や前回統一戦の時よりも大きく得票率を伸ばし躍進、一定数政権批判票の集約に成功したことが窺える。

兵庫県議会・宝塚選挙区補欠選挙 開票結果

<スポンサー>
当落票数得票率候補者名党派現・新・元
1592029.4門隆志維新元②
1346124.9風早ひさお自民
1271223.5橋本成年立憲
659012.2三富智恵子共産
545610.1織田貴子無所属

2019年 兵庫県議会宝塚選挙区 (本選)

当落票数得票率候補者名党派現・新・元
1575623.3森脇 保仁自民現④
1212317.9練木 恵子共産現⑥
1174717.4門 隆志維新
927913.7中山 祐輔立憲
51577.6岡野 多穂諸派
24473.6田中 邦明N国

兵庫県では7月に県知事選挙、そして今年中には必ず衆院選が実施される。与党・自民党が県知事選を巡り分裂、一方で立憲民主党や大阪を地盤とする維新の会は兵庫でも力を増すばかりだ。自民公明は苦しい対応を迫られるだろう。また、今週末告示の尼崎市議選を初め兵庫県内で行われる地方選挙にも注目だ。