山尾志桜里議員は文春報道について説明を尽くすべきだ 国民民主党の自浄作用も問われる

1月、弊所の取材に快く応じてくれていた山尾志桜里議員だが…

 山尾志桜里議員について、週刊文春が、平成29(2017)年の不倫報道の事実上の続報を報じた。その内容は、山尾議員との不倫相手と報じられた倉持麟太郎氏の元妻が自ら命を絶ったという、極めて衝撃的なものであった。詳細は週刊文春を参照してほしい。倉持氏の元妻は、一方的に離婚させられ、親権も倉持氏に奪われたことに、苦しんでいたと文春は報じる。

【参考】山尾志桜里 不倫弁護士の前妻が自殺していた(週刊文春)
https://news.yahoo.co.jp/articles/97c20594635cfc88e253d08bf139c021c679dd18

 山尾議員のもう一つの疑惑は、国会議員に配布されるJRパスの不正使用である。文春などによって、山尾議員は、マッサージなどの私用や、東京都渋谷区にある倉持氏の自宅を訪問し、飲酒等をするために議員パスを使ったと報じられている。JRパスは、私用に用いるのは違法である。山尾議員は、JR東日本を騙し、本来払うべき料金を免れていることになる。すなわち、山尾議員には、詐欺利得罪(刑法246条2項)が成立する疑いがある。倉持氏は、不倫関係が報じられたのみならず、山尾議員の政策ブレーンとして、山尾議員の政策立案に関わっている。しかし、飲酒するのは完全な私用であり、政策の打ち合わせだと言う言い訳は一切通らない。倉持氏との関係性や、議員パスを使って何をしに行ったのかを含めて、山尾氏は説明すべきである。

【参考】山尾志桜里議員 「議員パス」を使って“不倫報道”倉持弁護士と密会
https://bunshun.jp/articles/-/45105

 しかし、これは山尾・倉持両氏が倉持氏の元妻を自殺に追い込んでしまったという上の疑惑と比べれば、取るに足らないものである。山尾・倉持両氏には、人の命が失われたという現実を直視し、責任を持った対応を行うべきである。

 この記事では、第一に、山尾議員と国民民主党の、疑惑への対応を説明したい。次に、その対応の問題点と、山尾議員や国民民主党が本来取るべきであった対応を示す。最後に、今後この問題が、国民民主党に与えると考えられる影響について述べる。

山尾議員と国民民主党の疑惑への対応

 山尾議員と国民民主党の対応について、時系列を追って説明しよう。4月27日、倉持氏の元妻の自殺と山尾議員のJRパス不正使用について、「文春砲」が放たれるという情報が、永田町を駆け巡った。そして、夜にはネットで先出し記事が公開された。しかし、同日、山尾氏からの説明は一切なかった。そればかりか、週刊誌報道がなされることが判明している状況下で、SNSサービス「twitter」上で、全く関係のない発信を続けた。

 翌28日になると、大勢の記者が、国会内で山尾議員を囲み、取材を試みた。しかし、記者団に「追って対応については、自分の言葉で伝えさせていただきたいと思います」というコメントだけを残し、立ち去った。山尾氏はその後2回、説明を行った。

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 まず1回目が、「twitter」を利用した説明を行った。山尾議員の説明は、JRパスの不正使用疑惑にとどまり、倉持氏の元妻に関するコメントは一切なかった。JRパスの疑惑については、反省の意を示してお詫びしたが、「行使の…区別が曖昧にみえる行動をとるのは良くない」など、疑惑を全面的に認める内容ではなかった。なお、その後山尾議員は、本件とは関係ないツイートも、投稿し続けた

 2回目の説明は、28日、国民民主党公式youtube番組「こくみんライブ」に、山尾議員が、出演した際であった。文春の報道がなされたにもかかわらず、山尾議員は番組を中止することなく、玉木代表、前原代表代行とともに、出演した。冒頭、山尾議員は、twitterでのお詫びと同様の説明とお詫びを行った。しかし、視聴者は納得しなかったのか、「倉持氏の元妻自殺」と「JRパス不正使用」の2つの疑惑について、厳しいコメントが並んだ。山尾議員の説明は、番組冒頭だけであった。普段明るい性格である玉木代表、前原代表代行も、一切笑顔を見せないまま、厳しい雰囲気で番組が進行した。

 同28日、玉木代表が会見を行った。玉木代表は、議員パスの疑惑については「不適切な使用が含まれていると言わざるを得ない」と述べ、「山尾さんやわが党を応援していただいている皆さんに対して大変な失望を与えた点には、お詫び申し上げたい」とお詫びした。倉持氏の元妻が自殺した件については、「大変気の毒な話でショックを受けた。ただ、離婚をされていることもあり、背景にどういう事情があるか推測でものを言うものではないので、国民民主党代表として、この件にコメントを差し控えたい。」と述べた。

 4月30日、金曜日は榛葉幹事長の定例会見の日であるが、この日はゴールデンウィーク中と言うこともあり、定例会見がセットされていなかった。

山尾議員と国民民主党の問題点

 続いて、山尾議員と国民民主党が行った対応の問題点と、取るべきであった(今後取るべきである)対応について説明したい。

 まず、山尾議員は、週刊文春の報道後も、何食わぬ顔でtwitterの更新を続けてしまった。これは、不祥事を起こした人としての自覚が足りず、支援者や有権者の怒りを買う態度だ。同様に、「こくみんライブ」を中止せず、予定通り出演したのも問題である。山尾議員は、人が亡くなったことに関し、ことの重大性を認識できていないのだ。山尾議員は、孤独対策という「人間の尊厳」に関わる政策を考えている張本人であるのに、倉持氏の元妻の尊厳を踏みにじるような言動を、現在進行形で行っているのである。人が亡くなる不祥事を起こした以上、山尾議員はしばらくあらゆる発信を自粛すべきであった。

 次に、山尾議員本人が記者会見を開かず、倉持氏の元妻に関して一切のコメントを拒んでいる点が問題である。質問の機会のないyoutubeのライブやtwitter上での説明は、説明したことにはならない。山尾議員は、記者会見を開き、記者から追加質問が出なくなるまで、制限時間を求めず説明を行うべきである。その際には、倉持氏の元妻に関する質問も、できる限り答えるべきである。

 最後に国民民主党は、速やかに山尾議員への処分を検討すべきである。未だに、玉木代表による厳重注意処分の他、追加の処分が出ていない。もし、山尾議員がこのまま活動を続けるのを許されるのであれば、後述の通り国民民主党への負のダメージが残る。できれば山尾議員を除名すべきであるし、少なくとも比例東京ブロック1位の公認をはく奪すべきだ。また、倉持氏が、国民民主党と関係を持つことを禁止すべきである。

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 念のために、今回の案件で処分が可能かを検討する。国民民主党倫理規則は、「汚職、選挙違反及び政治資金規正法令違反並びに刑事事犯等、政治倫理に反し、または党の品位を汚す行為・言動」を処分の対象とする(2条1号)。このうち、山尾議員の行動のうち、議員パスの不正使用は、明らかに「政治倫理に反」する言動である。また、不倫問題の処理を誤り、結果として倉持氏の元妻を自殺させてしまった件については、これによって国民民主党の支持者や一般の有権者に対し、多くの失望を与えるものであるから、「党の品位を汚す行為」である疑いが濃厚である。

この問題が国民民主党に与える影響を懸念する

 山尾議員は、とても厳しい立場に追い込まれている。なぜなら、山尾議員の説明に矛盾があるからだ。倉持氏との関係について説明を拒むためには、これを「プライベートの問題」としなければならない。しかし、「プライベートの問題」であれば、やはり私用での利用が禁じられているJRパスを、反復継続して「プライベート」で不正利用していたことが確定するからである。

 国民民主党は、「人権の政党」として、孤独対策や生理の貧困問題など、人間の尊厳に関わる政策にチャレンジしてきた。しかし、山尾議員の不祥事とこれに対する対応は、身近にいる個人の「人間の尊厳」すら平気で踏みにじるという批判を免れず、国民民主党の政策の説得力を失わせるものだ。山尾議員は、おとな研究所の取材に快く応じていただき、素晴らしい政策の数々を披露していただいた。しかし、これも水泡に帰すことになる。同様の論理で、国民民主党の政策の数々について、説得力が問われる。

 国民民主党は、今、明らかに国民からの信頼を失いかけている。それはひとえに、人が亡くなったという事の重大さを、所属議員が理解しているのかが伝わってこないからである。もしこのまま山尾議員を党の看板として衆院選を戦った場合、現役世代の女性を中心に敬遠され、比例獲得議席が0となる可能性すらある。そうなった場合、山尾議員は民進党だけでなく国民民主党の社会的評価も大きく下げ、「2つの国政政党を不祥事で壊した政治家」として、国民の記憶に残ることになるだろう。それは、党にとっても、山尾議員にとっても、不幸なことではないか。

 街頭演説の現場でボランティアに入ったり、イベントに参加したりしている支持者の間では、「山尾議員が比例1位では、次の選挙を戦えない」という共通認識が広まりつつある。多くの識者も同じ認識である。国民民主党の執行部が山尾議員に毅然とした処分を下せるか、多くの国民が注目している。

 国民民主党の自浄作用が、問われている。

 

 

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