減税派は財政規模拡大をリスク視。維新は愚直な構造改革を—ゲストライター記事

※この記事は、ゲストライターによる寄稿記事です。寄稿の応募はコチラから誰でも可能です。

先日おとな研究所から公表された金融緩和の限界を探る試算には感銘を受けました。このような骨太な経済試算は一般メディアにおいても論じられることはなく、企画実行したまくろ氏、Ryuga氏に敬意を表したいと思います。 

政府および財務省が金融緩和の限界について見解を示すリスクは極めて大きく、公式回答 できないのをいいことにリフレ政策や MMT といった無責任理論が横行。政治家たちも公然と同調するのは由々しき事態だと思います。 

この素晴らしい記事はこれらの楽観的な財政論に警鐘をならすものとして高い価値あり。 今後国内の言論空間でこのような試算に基づく経済予測が活発に論じられることを期待します。 

徹底精査!日本大改革プランの実現可能性① ― おとな研究所 (2021 年 6 月 10 日) https://otonaken.com/archives/7243 

一方で記事作成の背景には、日本維新の会が公表した日本大改革プランにおける財源への問題意識があります。 

維新・藤田文武衆議院議員は当初行政改革に取り組んだうえで不足分は薄く広い金融資産課税にて補うと公表。しかしその後大阪維新の会地方議員や渡瀬裕也氏を始めとする減税派論者の指摘を受けて取り下げ。現時点では財源に関しては不透明な状況になっています。 

私自身も 2021 年 1 月の公表当時からセーフティネットの一元化に賛成ながらも、資産課税 等の新税創設には反対の立場を取っております。 

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維新ベーシックインカム案公開!社会保障改革議論促進なるか ― アゴラ 言論プラットフォーム (2021年1月8日) 

https://agora-web.jp/archives/2049640.html

減税派が金融資産課税に反対する理由は身近な実例を挙げて説明することができます。 2019 年に消費税は 2%増税となりましたが、その理由は膨張を続ける社会保障費不足分に

充てると説明していました。もともと 20 兆円程度が新規国債発行(下図借金)に依存。消費税 2%は約 5 兆円程度の増収になり、依然として不足するものの赤字体質改善の一助となればと、当時の私としても「仕方のないもの」と考えていました。 

しかし政府は消費税増税と同時に子ども・子育て支援予算として3兆円を社会保障費に新 設。これは増収分の半分以上に該当します。 

結果消費税を導入した直後に子ども手当の減額・社会保険料の事実上増税・高齢者医療窓口 負担増の議論が進んでいきました。 

これではいったい何のために消費税の増税を分かりません。私が増税によって財政均衡に 至る可能性は極めて低いと確信したのはこの時です。

(図)消費税の使途に関する資料 : 財務省 (mof.go.jp)
(参考)子ども・子育て支援新制度に関する予算案の状況について ― 内閣府
(関連)医療年金の放漫財政が呼ぶ「痛税感なき」増税 – SAKISIRU(2021 年 5 月1日)

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では減税派は社会保障一体改革の財源として何を求めているのでしょうか。 

おとな研究所の試算では財源を新規国債発行の増加に頼るのはリスクが高いことを指摘し、 金融資産課税が望ましいと結論づけています。 

この点は減税派も同様で、これまでリフレ論者・上げ潮論者・MMT 論者などといった国債 発行額の増加を許容する金融緩和楽観論に対しては批判をしてきました。ではセーフティ ネットの一元化に賛成しながらも、新規国債発行を行わない、資産課税増税もしない無責任 論を減税派はいっているのでしょうか。 

そうではありません。そもそもセーフティネットの一元化などという横断的な施策は、仮に維新が政権を取ったとしても一朝夜で実現は不可能。慎重なモニタリングを行いながら、年単位での段階的な統廃合をしていくものと考えられます。

先ずは統廃合における実行可能性が高く、効率化が認められる部分から1つずつ導入して いくことで、小さくとも確実に国民負担率増加に歯止めをかけることを目指して欲しいと 考えております。減税派の言葉で言うと、「2対1ルール」です。 

日本大改革プラン発表者である藤田文武氏も、金融資産課税は最後の最後に足りなくなっ た場合に求める、と位置付けていました。つまり金融資産課税に極力頼らず、行政改革で可能なところまでいこう、という意図を含んでいるものと考えられます。 

減税派もまた、金融資産課税に頼らずできるところまでをやる、ということは支持する者が 多いと思います。このようにスモールスタートの積み重ね段階的に進める方法は、大規模な再配布を前提としたベーシックインカムと相性が悪いです。 

藤田文武氏が再配分に対して賭ける思いは理解します。しかしやりたいことがあるならば、 先に行政改革を断固実行し予算を捻出する、というのが大坂維新のやりかたであると存じております。大阪も日本も、赤字体質なのは同じです。 

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そんな維新の愚直さに、私は期待をし応援しております。

ライター:中田 智之 Twitter:@DashNaka

自己紹介:サキシル隔週土曜連載。アゴラ レギュラー執筆陣。日本歯科大学微生物学非常勤講師・附属病院臨床研修指導医講師。日本歯周病学会認定医。減税派モデレートリバタリアン。インフォデミックと戦い、あたらしい時代の公衆衛生を見出すため、医療制度と行政のありかたを情報共有し提言していく。

 

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