おとな研究所は新しくなりました!

窮地の大連立くるか?—ゲストライター記事

※この記事は、ゲストライターによる寄稿記事です。寄稿の応募はコチラから誰でも可能です。

某巨大掲示板の選挙板界隈をウォッチしてると、まことしやかにいわれていることがある。

それは自民と立憲が大連立を企図しているのではないかというもので、そのために昨今国対政治を加速していたり、無派閥で失うものがない菅総理自身が敢えて失政を重ねることで自民の議席を減らすことにより、その地ならしをしているというものだ。

①自民党が選挙で大敗したとき、それは…

自民が衆院で単独過半数割れすれば、様々な組み合わせの連立ができるようになる。公明にキャスティングボートの恩を売るかわりに菅総理は続投も可能だし、維新や国民との連立だって可能になる。

しかし、それらを押し退けても有り得ると先の選挙板で囁かれてるのが「自立」政権なるものらしい。多分だが、公明も間に入って厳密には「自立公」になるだろう。しかしながら、これは決して突拍子もないことではないと思う。過半数割れをした自民党はかつて社会党という理念真逆のところと連立した。

社会党と組んだときを思えば、中道左派~左派の立憲を連立に誘うのはさほど難しくはない。

②大連立の現実味は…

筆者は与野党の大連立は反対ではないが、最近の大連立構想はいきなり浮上することがある。それは令和元年に幻となった「自公国連立」である。安倍玉木間の党首間では合意に至ってたらしいが、実際は国民民主が立憲と会派を組んだため立ち消えとなった。

<スポンサー>

過半数割れした自民が立憲と連立する際は、村山政権のときのように総理ポストを枝野に譲るだろう。公明は国交大臣、自民は外務・財務大臣はじめ主要ポストを押さえる。

大連立にあたり自民側の事情は書いたが、立憲側の事情は以下のようになる。

  • 仮に衆院選において野党共闘により立憲自身が第一党になり、あわよくば政権交代しても、参院は自公過半数のため身動きがとれないのを打破できる。
  • 共闘後に共産を切ることができる。つまり、イデオロギーの塊である共産党と組んで独自色をなくし「立憲共産党」と揶揄されることなく、国対政治を通じて話がわかりあえる自民と選挙区調整もすればいい。最近になって共産が条件にあげる野党連合政権構想が「(共産は)閣内でも閣外でも」という表現にトーンダウンした。自民と接近する立憲への牽制にも受けとめられる。
(編集部挿入)

③全ては選挙結果次第

いずれにせよ、自立大連立にせよ、その他連立政権の組み合わせにせよ、実現は間近に迫る衆院総選挙、あるいは来年の参院選次第である。

自民党総裁選が衆院総選挙のまえで、菅から誰かに交代して、ご祝儀相場により自民が圧勝した場合は、自民は勝ち誇り、先に挙げた連立の組み替えは立ち消えになるだろう。

どちらが日本にとっていいかはわからない。

④大連立はじめ政局は菅と二階の掌のなか?

ただ、ひとつだけいえるのは、

自民党は少なくとも衆院総選挙に際して、圧勝・大敗どちらに転んでもいいように立ち回れるような立ち位置にある。菅も二階も意図してこれだけの寝技ができるなら大したものだ。尤もその寝技を政策面で発揮してほしいものだが。

<スポンサー>

ライター:弐羽辰 Twitter:@fukuzoumotoyama プロフィール:歯科医師