「LGBT」以外の「SRGM」にも注目を —ゲストライター記事

※この記事は、ゲストライターによる寄稿記事です。寄稿の応募はコチラから誰でも可能です。

 最近、「LGBT」という言葉の認知度は上がっています。政府・与党は『LGBT理解増進法』の制定を目指しており、そこに立憲民主党等の野党各党は「差別禁止」規定を盛り込むことを主張しています。

 しかし、いわゆるセクシャルマイノリティはLGBTだけではありません。広義のセクシャルマイノリティを包括する名称として「SRGM」が提案されていますが、この言葉はあまり知られていません。

 私はアセクシャル当事者ですが、LGBTの当事者イベントに参加資格があるのか不明で、一々主催者に問い合わせたことも何度もありました。多くの場合は参加可能だったのですが、存在自体をあまり知られていないのは事実です。

棒グラフ  自動的に生成された説明
(画像:Ace仏旗。アセクシャルコミュニティの輝きを意味する。)

AスペクトラムとXジェンダー

 「SRGM」とは「Sexual Romantic and Gender Minorities」(性・恋愛・ジェンダー少数者)の略称です。これはLGBTにAスペクトラムとXジェンダーとを合わせたものです。

 Aスペクトラムとは、アセクシャル(Ace)スペクトラム、アロマンティック(Aro)スペクトラム、アプラトニック(Apl)スペクトラム、アセンシュアルスペクトラム、アアエスティックスペクトラム、アクィアプラトニックスペクトラムの総称です。ここで言う「スペクトラム」とは「傾向」のようなものだと思ってください。

 例えば、アセクシャルとは他者に性的魅力を抱かない性的指向で、アロマンティックとは他者に恋愛的魅力を抱かない恋愛指向のことです。

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 しかし、一般論としては他者の性的魅力を感じることはないが、特別な関係の人のみに性的魅力を感じるデミセクシャル、一般論としては他者の恋愛的魅力を感じることはないが、特別な関係の人のみに恋愛的魅力を感じるデミロマンティック、さらにそれらの逆であるフレイセクシャルやフレイロマンティックの人もいます。

 例えば、一部のフレイロマンティックの人は「あの人、モテそう!」と言うのを感じることはあっても、その人に対して恋に落ちることはありません。(これはあくまでも例えです。当事者によって表現はやや異なります。)

 フレイロマンティックの人は一般論としての恋愛的魅力を感じることはあっても、特別な誰かに恋愛感情を抱くことはないのです。その逆がデミロマンティックです。

 このように、アセクシャルやアロマンティックとマジョリティの間には様々な「中間」の性的指向や恋愛指向の人がいます。こうした人たちの総称が「Aスペクトラム」です。

 Xジェンダーは、アジェンダ―、ノンバイナリー、バイジェンダー、デミジェンダーの総称です。トランスジェンダーに含める人もいますが、とても範囲が広いのでトランスジェンダーを自認しない人もいます。

 簡単に説明すると、アジェンダ―は性自認が無い人、ノンバイナリーは男女どちらでもない性自認を持っている人、バイジェンダーは複数の性自認を持っている人、デミジェンダーは性自認が限定的である人です。これらをすべて一括りに出来ないことはお判りかと思います。

政治にはSRGM全体の把握を

 多様なSRGMの全てについて、一般の人が細かく知る必要はありません。しかし、例えば行政のセクシャルマイノリティについての担当部署が無知で「LGBT」だけの看板を掲げている場合、Aスペクトラムや一部のXジェンダーの人は相談を躊躇することになってしまいます。

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 LGBTについては多くの政治家が注目していますが、より包括的なSRGMを法律にも明記してくださると、この様な状況も是正できます。

 また、現行のLGBT法案には「性的指向」と「恋愛指向」とを混同している、と言う問題もあります。過去にはセックスレスを離婚の理由として認める判決が下ったこともあり、恋愛と性愛とをセットで考えている人が少なくないようです。

 私自身、恋愛感情は抱きますが、恋人と性行為をしたいとは思わないロマンティック・アセクシャルの人間です。恋人との結婚も考えていますが、恋愛と性愛とを結びつける考えが司法にまで及んでいる社会においては、「社会の理解」というよりも「行政・司法の理解」に不安を覚えざるを得ません。

 政治家の皆様がLGBT以外のSRGMについても注目してくれるよう、私もアセクシャル当事者として声を上げ続けています。

参考リンク

SRGMとは?(日本SRGM連盟)


ライター:日野智貴 自己紹介:大学生、日本SRGM連盟代表。アセクシャル当事者。立憲民主党党員、国民民主党サポーター、日本国民党党友。立民所属なので誤解されがちですが、思想は超保守です。律令国家復興を目指しています。 Twitter

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