闇献金?維新副代表の今井府議が離党ー維新の「身を切る改革」の闇 –ゲストライター

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ライター:コミヤマ タケシ Twitter:@ramenkomiyama 自己紹介:会社員。


維新副代表・今井府議が離党

2021年8月25日、日本維新の会及び大阪維新の会副代表の今井豊府議が同党を離党した。

大阪府貝塚市の藤原龍男市長から違法な献金を受け取っていたと週刊誌に報じられたことを受け、同党に離党届を提出し、当日受理されたという。

本件の経緯は以下に詳しいので参照されたい。

【参考】大阪維新の会副代表・今井豊府議が貝塚市長から闇献金と女性問題で離党

本件について同日の馬場伸幸幹事長会見で馬場幹事長は記者からの質問に対し以下のように回答した。

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2021825 馬場伸幸幹事長コメント

日本維新の会は、「身を切る改革」を始めとして、まずやはり自分の身を律して、行財政改革なり、政治の正常化、また、お金の部分では国民の皆様方から疑惑を持たれないような法改正等を、求めて参りました。

そういう中で、明日の週刊誌に我が党の幹部地方議員が掲載をされるということで、その中身が女性問題と政治資金に関わる問題であるということは仄聞をいたしております。

現在大阪の方で、その該当議員の方から事情説明を行いまして、その上で早急に然るべき対処、ならびに当該議員に対する処分を行うということで、本人からも離党届が出ているというようなことも聞いておりますので、きちっと事実関係を掌握した上で、他党には無い厳しい処分を行っていきたいと、そういうふうに思います。

ここで大きな疑問が湧いた。

馬場幹事長の説明は、まさに模範解答だとは思うが、お金の部分で国民から疑惑を持たれないような「身を切る改革」を、日本維新の会は実行しているだろうか?

「身を切る改革」

「身を切る改革」は、日本維新の会のキャッチフレーズであり、まさにアイデンティティそのものだ。

同党は、身を切る改革の一環として、報酬のカットを始め、国政では「文書通信交通滞在費」の使途を公開し、他党とは違う税金の使い方への厳しさや、政治資金の透明性をアピールしている。行財政改革を行うには、馬場幹事長の説明の通り『まずは自分の身を律する』、それが「身を切る改革」という日本維新の会の政治家・政党改革である。

国会議員一人当たり月々100万円、年1,200万円もの税金が、その使途も公開されないまま使われています。これが「文書通信交通滞在費」です。 政治資金の流れを透明化し、国民の皆様への説明責任を果たすためにも、日本維新の会はこの「文通費」を公開致します。

我々は文通費公開に限らず、これからも身を切る改革を実行していきます。

日本維新の会オフィシャルHPより

改革を行い行政の税金の使い道を正すことを目指す日本維新の会としては、自身の税金の使い道に厳しくあるのは当然のことだ。

まさか民間では「領収書無しの経費」など認められるはずがない。橋下徹代表(当時)が演説で何度も「皆さん舐められてますよ」と繰り返し批判していたのは維新支持者はよく覚えていると思う。

しかし、筆者は、日本維新の会身を切る改革に、大きな疑問を抱いている。

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実は、「身を切る改革」には、ある「抜け道」が存在していることをご存じだろうか。

「立法事務費」とは

文書通信交通滞在費は、国会議員に対して、歳費とは別で経費として、毎月100万円が支給されているものだが、実はこの手当とは別に「立法事務費」という手当が存在している。

この「立法事務費」は、立法事務費交付法に基づき、毎月頭に、会派所属の国会議員1人当たり65万円が衆参両議院の各会派に対して交付されているというものだ。

第一条 国会が国の唯一の立法機関たる性質にかんがみ、国会議員の立法に関する調査研究の推進に資するため必要な経費の一部として、各議院における各会派(ここにいう会派には、政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第六条第一項の規定による届出のあつた政治団体で議院におけるその所属議員が一人の場合を含む。以下同じ。)に対し、立法事務費を交付する。

国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律

日本維新の会(会派)は、現在、衆議院に11人、参議院に15人、計26人の国会議員を抱えているため、65万円×26人=1690万円が毎月交付されていることになる。年間にするとその額は2億円を超える。

そして、この「立法事務費」は、文書通信交通滞在費と同じように非課税、かつ使途について報告義務が無いというのだ。

日本維新の会での立法事務費の取り扱い

日本維新の会は、この立法事務費の半額を、馬場伸幸幹事長が代表を務める政治団体「日本維新の会国会議員団」に毎月寄付している。

そして、同政治団体から一部の議員個人に対して「政策活動費」という名目で毎月活動費が寄付されている。(寄付対象となっている議員の根拠は一切不明)

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一番多く支払われている馬場伸幸幹事長に対しては、令和元年度は1年間で5600万円もの金が非課税で渡っているのである。

日本維新の会は、月100万円の文書通信交通滞在費の使途を公開して、「クリーンな政党」を謳っている。

もちろん、月65万円の立法事務費(政策活動費)についても、使途を公開していると考えるのが普通だろう。

しかし、驚くべきことに、日本維新の会は、文書通信交通滞在費は使途を公開しているが、実は立法事務費(政策活動費)については、依然ブラックボックスのまま、使途は全く公開していないのである。

以下の図に上述の活動費の取り扱いについて流れをまとめた。

※コミヤマタケシ作成

馬場幹事長により封印された身を切る改革法案

一体毎月300万円(しかも非課税)もの「政策活動費」は何に使われているのだろうか。

馬場伸幸幹事長に支払われているカネは1年間で5600万円分もの大金だ

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現在の日本維新の会での「身を切る改革」では、仕組み上、いわゆる「闇献金」のような問題を防ぐことはできない。人治ではなく法治、何より仕組み作りが肝要だ。

やはり、やましいことに使っていないのであれば、堂々と使途を公開してはどうだろうか。

実は、かつて、2016年頃に行っていた100本法案提出のキャンペーンの最中に、足立康史議員がTwitterにアップロードした「身を切る改革」10法案の中に、この政策活動費の使途を公開する法律案(3番目)が含まれていたことをご存知だろうか。

しかし、足立康史議員によると、同法案は馬場伸幸幹事長の指示で封印されてしまったようで、同党HPに掲載の100本法案の中にもその姿は見えない。

足立康史議員は以前繰り返しこの問題を指摘し続けてきたが、同氏のYouTubeチャンネル『あだチャン』で政策活動費の公開を求めた動画(#21 あだチャン「永田町アホばか列伝」第1回 馬場伸幸ー討論から逃げ、人治を強める)は削除(非公開)されてしまっている。

どうしてクリーンであるはずの日本維新の会が、政策活動費の使途を公開を拒むのだろうか、甚だ疑問である。

せっかく文書通信交通滞在費の使途は公開しているのに、抜け道が許されていては危険だ。

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無いとは思うがもし仮に「闇献金」のような何かしらのやましい支出があれば、それはブラックボックスの「政策活動費」として支出すればいいのだから透明性もあったもんじゃない。

党内既得権の打破を

維新の創業者のひとりである橋下徹氏は、2015年6月25日の定例会見で、以下のように述べている。

「こんなの維新の党が補助金漬けですよ。そんな政党成長するわけないじゃないですか。誰も言わないんだから、こりゃもう、僕が言うしかないじゃないですか。もうワンワンワンワンとね。それをどう受け止めるかは知りません。それは維新の党の執行部(の判断)ですけども、これ口だけで既得権打破だとか、補助金改革だとか言っておきながら自分たちが補助金まみれになって既得権益化してたら国民はそれはすぐに見抜くと思いますけどね。」

これは当時おおさか維新の会が誕生する前、橋下氏が「維新の党」を批判していた時のコメントだが、全く今にも通じる内容だ。

橋下氏はその後、おおさか維新の会を立ち上げ、維新の党を「偽維新」と強い批判していたが、今の日本維新の会はどうだろう。

その後、橋下氏は政界を引退し、2018年9月にリリースした『政権奪取論 強い野党の作り方 (朝日新書)』で、日本維新の会について以下のように批評している。

「特に立憲民主党や日本維新の会の議員は、それぞれ自党の看板で一定の議席を取れる自信がある。そして野党で甘んじることさえ受け入れれば、今の自分の役職ポストを維持できて、優雅で楽しい政治家生活を送ることができるからだ。」

橋下徹 -政権奪取論 強い野党の作り方 (朝日新書)

さらに、橋下氏は、2019年8月30日にもツイッターで「文通費の領収書添付で改革が止まっている」と指摘し、文通費の残金返還による更なる身を切る改革の徹底(橋下氏は著書においても身を切る改革が中途半端なので人口に膾炙していないと指摘していた)を求めたことがあった。

東徹総務会長が「徹底してやらせて頂きます」と威勢よく返事をしていたが、この提案は執行部で却下されたようだ(東氏に説明を繰り返し求めたが東氏から返事をもらえることはなかった)。

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もちろん、文書通信交通滞在費の使途公開や報酬カットを実施していない他党と比べると、日本維新の会を大いに評価したい。

しかし、この「抜け道」が用意されている「身を切る改革」を党のアイデンティティとし、それによって他党批判を繰り広げるのはどうなのだろう。

残念ながら、橋下氏いない今、日本維新の会の党内の既得権打破はもう不可能なのだろうか。

唯一問題を指摘していた足立康史議員も口を閉ざしてしまっている。

税金の使い道の厳しさを売りにしている日本維新の会は、やはり、文書通信交通滞在費の使途公開に留まらず、立法事務費(政策活動費)の使途まで公開して初めて、クリーンで公正公平な新しい時代の政党を名乗ることができるのではないだろうか。

先日、日本維新の会は、『日本大改革プラン』という政権構想といえる、税と社会保障と労働市場に関する政策パッケージを掲げた。

その中に「政治・行政・政策の三層構造」と呼ばれるものがある。

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それは「政党・政治家改革」(身を切る改革/透明性・公平性)の上に「統治機構改革」、そしてその上に「新しい時代の政策パッケージ」が存在するというものだ。

※日本維新の会『日本大改革プラン』資料を参考にコミヤマタケシ作成

果たして、新しい時代の政策パッケージを叶えるために必要な「政党・政治家改革」(身を切る改革/透明性・公平性)を自党ですら果たせているとは思えない日本維新の会が、日本の大改革を実現することなど本当に可能なのだろうか。

今井府議の件を受けて、日本維新の会が受けたダメージは少なくない。こういった疑惑を持たれるような事件が二度と起こらないよう、日本維新の会には、この問題に真剣に向き合ってもらいたい。今井府議個人の問題として終わらせてはいけない。人治ではなく法治を、まずは党内から出来ることを実現してもらいたい。今井府議を副代表に選任した松井一郎代表の「維新スピリッツ」に期待したい。


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