「マイメロママ」の名言の数々
目次
過去に地上波でも放送されたアニメ「おねがいマイメロディ」のとあるグッズが、発売中止に追い込まれた。
そのグッズとは、主人公・マイメロディの母で(以下、マイメロママという。)をモチーフにしたものだ。マイメロママは、毒舌キャラで有名である一方で、その毒舌の数々は頷かせられるものが多く、むしろ00年代にアニメ放映がされた後も、多くの人々に共感されてきた。当該グッズには、マイメロママの名言の数々が記されている。
いくつか例をあげよう。
「男のコの”いつかオレはやるぜ”は、当てにならないから信じちゃダメよ。」
「相手を見定めるならランチからの方がいいわね。イキナリ、ディナーは…ダメよ。」
「一度や二度の失敗でくよくよするような男をつかんだら一生の不覚よ」
これらの名言の中には、今回発売中止になったグッズに取り込まれたものもあるが、すべてアニメシリーズのワンシーンとして地上波放映されたものだ。
特徴として、男女を問わず様々な層をターゲットにしているものである。読者の皆さんも、これらの中に刺さった発言があるだろう。
「女の敵はいつだって女なのよ」という「名言」が炎上、いつもの「ツイフェミ」による度を超えた中傷により発売中止に
これらの毒舌の中で、「女の敵はいつだって女」という発言を、Twitterにいるいつものフェミニストたち(以下、「ツイフェミ」という。)が問題視した。
発端はツイフェミとして有名な漫画家・渡辺ペコさんの以下のツイートであるとされる。

グッズの名言集を批判する人たちは、この「女の敵はいつだって女」というマイメロママのセリフが、時代遅れであるとか、ジェンダーバイアスに基づくものだと批判している。批判している人の多くは、ツイフェミであり、彼ら彼女らは、ことあるごとにアニメや漫画などの中にある気に食わない表現を批判し、撤回や謝罪に追い込んできた。
批判のうち、Twitterにおける代表的な意見を引用しておこう。
今回も結局、サンリオ側が、マイメロママのグッズの発売中止に追い込まれてしまった。
ジェンダーバイアスに基づいているのは、批判している「ツイフェミ」の側という可能性
実は、ジェンダーバイアスに基づいているのは、逆に、ツイフェミ側かもしれない。まず、ツイフェミの代表格としておなじみの北原みのりさんは、マイメロママのグッズを制作したのは男性であると決め付けて、「オジサン」というレッテルを貼ってグッズを攻撃した。
ところが、実際は、当該グッズを一番最初に考案したのは全員女性のメンバーであることがすでに明らかになっているのだ。今回問題化してしまった商品のように、マイメロママの発言をモチーフにしたグッズは過去にも発売されており、初めてそのようなグッズが商品化された際の記事で、女性が企画を行ったことが明らかとなっている。以下、その際の記事を引用する。
――「これだけは入れたかった」という担当者イチオシのワードはありますか? また、これらの発言をセレクトしたは男性と女性どちらなのでしょう?
マイメロママの名言はどれも素敵で、すべてですね。製作は、全員女性です!
「男は先手必勝よ」マイメロママの”ドS”な名言が話題…アニメ終了10年も支持続くワケ(ORICON NEWSより)
女性が製作していたグッズを、根拠なく「オジサン」が作ったと決め付けたフェミニストこそ、ジェンダーバイアスに引っかかっているのではないだろうか。自分の受け入れられない「こんな時代遅れのことは、男が言っているに違いない」というジェンダーバイアスである。
さらに、当該グッズを擁護する意見に対する、不可解な批判も発見した。
ちなみに、ツイッターを見る限り、マイメロママについて苦言を呈しているのは女性が多い。そして、その女性たちのコメントに反論するように、ITS‘DEMOの公式アカウントに「気にせず販売を続けて」「フェミニストの妨害に負けず頑張って」といったコメントをつけているのは、男性らしきアカウントである。
サンリオ「マイメロ・ママ」の毒舌が炎上、過去コンテンツが時代の変化に対応せず(鎌田和歌)
マイメロママの当該グッズに苦言を呈するのは、「女性が多」く、擁護するのは「男性らしきアカウント」だという。これ自体、後述の通り決め付けである。それに加え、この記事の筆者である鎌田和歌さんは、舌の根も乾かぬうちに、このようなことを続ける。
しかし今回指摘されているのは、男女どちらに対しても決めつけがあるセリフである。
引用元は上記と同じ
当該グッズを、批判しているのは女性で擁護しているのは男性だと、性別に基づく決めつけを行った直後に、マイメロママの名言を男女に対する決めつけだと批判する。まさに、自分は良くても他人はダメだという、フェミニストの自分たち自身への甘さが全面に出ている。
実は、ジェンダーバイアスに囚われているのは、マイメロママではなく、ツイフェミたちなのかもしれない。
論点① 「マイメロママ」を擁護しているのは男性だけなのか?
筆者はまず、鎌田氏の記事の中で前提となっている、「マイメロママを擁護しているのは男性」という言説に疑問を抱いた。実際に、Twitterで「マイメロママ」と検索すると、多くの女性がマイメロママの名言やグッズを擁護していることがわかる。
例えば、吉本所属の芸能人であるもりりかさんは、「私の大好きなマイメロママの名言が否定されてて悲しい」と、発売中止を惜しんでいた。
ところが、上記の通り、ツイフェミは、「グッズの製作者も擁護しているのも男だ」と決めつけに走り、マイメロママを擁護する多くの女性の声をないものとして扱った。ツイフェミこそが、ジェンダーバイアスそのものであることを改めて示した形となった。
論点② 「女の敵は女」という言説は、間違っている偏見だと言い切れるのか?
次に、今回の女性の敵は女性であるという言説が、市民権を得ていない偏見なのかについて検討を加えたい。
ゼクシイが過去に行ったアンケート調査によれば、20~30代の女性に「女の敵は女、女同士は面倒くさい、怖いと思ったことはありますか?」と質問したところ、68%が「ある」と回答したという。
当事者である女性の一定数が、体感として「女の敵は女」だと思ったことがある以上、先のマイメロママの名言も単なる偏見として切り捨てることができないのではないだろうか。
加えて、「女の敵は女」というワードでgoogle検索を行うと、次のようにこれを肯定する記事が数多くあることも明らかになった。
女の敵は女?ミドル・シニア女性が直面する、セカンドキャリア構築の戦い
女の敵は、女。仕事に燃える彼女たちが行き着いた最後とは? 映画『パッション』
もし、女性の敵は女性だという表現が、差別的であったり、間違ったものであれば、このような表現を肯定する記事は出てこないであろう。女性の敵が女性だという考え方も、社会の中で一定の賛同を受けているのだ。
むしろ、ツイフェミたちの、グッズに対する苛烈な中傷が、女性の敵が女性であることを示しているという声も多い。
女性の敵が女性であるという主張が、現代でもなお一定の説得力があることを、ツイフェミの側が証明してしまったということだ。それならば、マイメロママの名言も、問題ないのではないか?
理不尽な中傷に声を上げなければ、表現の自由が危ない
今回問題となったのはグッズであり、誰もが目に入ることを余儀なくされうる広告等とは性質が異なる。嫌なら買わなければ良い話で、製作者の表現の場や、グッズを買いたい人のニーズが奪われるべきではない。
したがって、ここまでで示した通り、ツイフェミたちの主張には、グッズを販売中止させるに足りる正当性がない。むしろ、自分たちには甘く他者には厳しいというツイフェミの二重基準が露呈した形だ。サンリオが理不尽な中傷に折れてしまい、発売中止となったのは残念なことだ。
近年、一定の支持を得ている表現物が、ツイフェミによって袋叩きにされ、販売中止や撤回等に追い込まれることが多発している。その中には、ツイフェミ側に理のあるものもあったが、多くが理不尽なものであった。
このような理不尽な批判で炎上させられ、自粛を余儀なくされるという悪しき流れが続いていけば、クリエイターが萎縮し、社会から自由な表現がどんどんなくなってしまうだろう。
我々にできることは、作品に対する理不尽な中傷には、声を上げ続けることだけだ。今回の件で言えば、しっかりとマイメロママのファンが発売再開をサンリオに求めていかなければ、マイメロママがサンリオのキャラクターの中から消えてしまう日も、遠くはないだろう。
表現の自由が危ない。
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