【編集部記事】コロナ禍と戦争における経済政策を国際比較してみた!

オミクロン株の収束も進み、コロナ後を見据えた世界経済の動向をこの記事では5つの主要自由経済圏(米国・日本・ユーロ圏・英国・豪州)ごとに分析していきます。

アメリカ合衆国

  • 4期GDP成長 5.5%
  • インフレ率(直近)8.5%
  • 失業率(直近)3.6%
  • 金利:0.5%

2020年後、トランプ政権(当時)の意向により、コロナ規制の早期解除を行った米国は、主要国の中でも一番早い段階で景気の回復が始まりました。

その後のバイデン政権による高圧経済政策により、景気回復は当初維持されましたが、景気回復以降の積極財政と低金利政策により、2021年半ばより米国は高インフレに悩まされています。8ヶ月連続でインフレ率は上昇しており、それが収まる兆候もありません。

インフレの長期化により、消費者の期待も低迷しています。消費者期待指数は54.3と、コロナ不況の底値(66)を大幅に下回っており、リーマンショック時よりも低くなっています。景気観の低迷が鮮明になっている形です。

インフレにより景気感の後退が続いていますが、政局的要因もあり、政府支出は大きく縮小する事なく、対策としてはFRBによる積極的な利上げ政策が開始されます。

FRBは今年中に6回の利上げを行う事を示唆しており、インフレ退治は進むとの見方が強まっています。しかしながら、その副作用として景気低迷や株価調整が当分進むとの見方が濃厚です。

日本

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  • 4期GDP成長 0.7%
  • インフレ率(直近)1.2%
  • 失業率(直近)2.7%
  • 金利:ー0.1%

日本はアメリカと違い、金融緩和策が拡大されなかった事もあり、パンデミック中の実質金利の高止まりにより、民間需要の回復は程遠い模様です。

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コロナ規制の維持もあり、主要先進国の中でも一桁低い平均成長率(0.7%)となっています。景気回復によるインフレ(デマンドプルインフレ)は現時点で生じていませんが、海外での物価上昇がコストプッシュインフレ(悪性インフレ)として国内の企業物価指数の押し上げに反映されており、直近では9.5%と過去最高レベルの伸びとなっており、これから生産コストの高騰が消費者物価に転嫁される事が想定されています。

更に、海外で進む金融引き締めの反動として急激に円安が進行しており、結果として年内には物価上昇率が最低でも3%程度まで上がる事が予想されています。

イギリス

イギリスの国旗 | 意味やイラストのフリー素材など – 世界の国旗 | 世界の国旗
  • 4期GDP成長 6.6%
  • インフレ率(直近)7%
  • 失業率(直近)3.8%
  • 金利:0.75%

英国は自由経済圏の中でも特にパンデミックの影響を強く受けた国ですが、昨年後半からは規制撤廃などを通じて再び成長軌道に乗りました。

しかしながら、米国発のコストプッシュインフレやウクライナ危機の煽りを受け、インフレはやはり高騰しつつあります。一方で米国の様な高圧経済政策を採用しなかった事もあり、12か月の平均インフレは3.98%と、米国の6.21%と比較すると、物価高騰の影響はまだ限定的なものと見られます。

イングランド銀行は米国の二の舞になるのを避ける為にも早期の利上げを実施していますが、その影響を含めて注視が必要です。

EU ユーロ圏

欧州旗 - Wikipedia
  • 4期GDP成長 4.6%
  • インフレ率(直近)7.4%
  • 失業率(直近)6.8%
  • 金利:0.0%

ユーロ圏もイギリスと同様に、ウクライナ危機によるコストプッシュインフレに悩まされていますが、更に景気回復も低迷しています。

GDPもアメリカと比べ、ようやく2022年にパンデミック前の水準に回復しただけで、これからの成長の見通しは不透明です。

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失業率は6.8%と諸国と比較して高い様に見えますが、元々構造要因で失業率が高いため、実はパンデミック以前より低い水準にまで下がっています。

オーストラリア

NZとオーストラリアの国旗の違い | ニュージーランド留学センター
  • 4期GDP成長 4.2%
  • インフレ率(直近)3.5%
  • 失業率(直近)4%
  • 金利:0.1%

オーストラリアは日本と同様、コロナの感染者数と死亡者数が少なく、パンデミックの影響が少なかった国です。

しかしながら日本と違い、パンデミックによる景気悪化はほぼ観測されず、コロナ患者の少なさ故に規制は去年に撤廃され、順調に成長軌道を進んでいます。

結果としてパンデミック前とくらべ大幅に経済成長しているオーストラリアですが、アメリカと違い積極財政政策は採用されなかったので、インフレは比較的低水準に留まっています。失業率も40年ぶりの低水準であり、これ以上の景気過熱やコストプッシュインフレの懸念から豪準備銀行は今年、複数回の利上げを実施する事を名言しています。

結局、一番いいパフォーマンスをしたのは?

それでは、米日欧英豪の主要西側経済ブロックの中で、一番パフォーマンスがいい国を探っていきたいと思います。その上で使用する指標は、

  1. 悲惨指数
  2. パンデミック前とのGDP比較

とします。

「悲惨指数」とは、失業率とインフレ率を合算した指標です。70年代に経済学者であるアーサー・オクーンによって生み出された指標で、国民生活の圧迫度を図る指標として有名です。

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通常期には、悲惨指数の内訳として失業率の方が高い事は多いですが、過度なインフレ期にはインフレが押し上げの主要因となります。今回の世界的なインフレの結果として、世界的に悲惨指数の上昇が確認されています。

悲惨指数 (カッコ内はパンデミック前の3年平均)

  • 1位 日:3.9   (2.5) +1.4
  • 2位 豪:7.5   (5.5)+2
  • 3位 英:10.8 (4.5) +6.3
  • 4位 米:12.1 (5.0) +6.1
  • 5位 欧:14.2 (7.0) +7.2

以上の数字を確認すると、米・英・欧で生活水準が大幅に悪化しているのに対し、豪・日では悲惨指数の上昇は小規模に留まっています。

しかしながら、コストプッシュインフレの加速が特に日本で想定される中で、悲惨指数の更なる上昇が予測されます。

米国では、これからインフレ退治を目的として急速な利上げが行われれば、失業率の上昇もありえるでしょう。

コロナ前(2019年第4期)からのGDP回復率

  • 1位 豪:+3.4%
  • 2位 米:+3.1%
  • 3位 欧:+0.02%
  • 4位 英:-0.1%
  • 5位 日:-0.4%

規制解除を早期に行った豪州と米国の回復が鮮明であるのに対し、コロナの影響が比較的軽重であったにも拘らず、規制が長期間維持された日本は回復の遅さが目立ちます。

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英国は2021年後半から急速な回復を遂げていますが、パンデック直後の経済崩壊(GDP成長年率-60%台)が尾を引いている形です。

ユーロ圏では、コロナショックはイギリス程の下落を招きませんでしたが、その後の成長鈍化により、回復は米国に比べ、遅れています。

悲惨指数とGDPの回復率を分析すると、豪州以外の諸国は経済的ポジションが脆弱である事が伺えます。

米国は高圧経済政策と言う名のドーピングを行った結果、特段景気が良くないにもかかわらず、史上最速ペースの利上げが想定され、これからの景気見通しが非常に不透明となっています。

対してイギリス、ユーロ圏や日本はコロナショック前の経済規模にようやく回復したものの、アメリカ発のインフレやウクライナ危機で景気回復が腰折れする可能性が高まっています。

今後の展望は

コロナショックからの回復や物価の推移、など各国経済は様々な分野で異なった動き方をしており、今まで以上に世界経済は混沌としています。

懸念されるコストプッシュインフレや積極財政の影響などを含め、各国の経済パフォーマンスは様々な経済政策の「通知表」とも読み取れるのではないでしょうか?(編集部:神谷)

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