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都議補選分析 維新健闘、そして来年の本選はどうなるのか?

先週日曜日の都知事選は予想通りの結果に終わったが、注目すべきなのは同時に行われた都議補選の結果である。その中でも北区の補選(定数1)では自民・立憲・維新・都民F、ホリエモン新党 公認の女性5人の戦い。制したのは自民党新人で区議を務めた山田加奈子さんである。

投票日前の出口調査や世論調査でも自民優勢、二番手に立憲、三番手に維新が迫るとの結果が出ており、調査通りの結果であった。

しかし、各候補の得票状況などを分析すると大変面白い結果が見えてくるのだ。

補選結果分析

自公推薦で当選した山田加奈子さんが立憲民主の新人斎藤さんなどに差をつけ当選した。ただし今回の結果で注視したいのは、自民党には公明党票が、立憲民主党には共産党票が上乗せされていることである。

北区において公明党と共産党は基礎票2万~3万程度を保持している為に今回の結果の勝敗を決めたのは両党の支持層であるといっても過言ではない。

維新公認で出馬、音喜多参院議員の後継者として位置づけられた佐藤古都さんは33000票余りを獲得し、立憲の斎藤さんに迫った。得票率や選挙事情がやや異なるために単純比較はできないものの、昨年参院選東京選挙区で音喜多氏が獲得した約27000票(得票率17%)を上回ったため検討したといえる。

また、意外な結末を迎えたのは都民ファ候補である。同党公認の天風さんは話題となった小池百合子氏とのポスターを使用、知事との蜜月ぶりをアピールするなどに至ったが、小池氏が北区内で獲得した延べ97000票(得票率60.3%)に遠く及ばず4位落選の23186票(得票率14%)に留まった。

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ホリエモン新党から出馬したゆずか姫こと新藤加奈さんは選挙ポスターが問題となった(ただし違法ではない)ものの、N国が昨年参院選で獲得した選挙区2.4%、比例2.52%を上回ったために善戦したといえる。立花党首が昨年から提言している「美男美女作戦」が成功したともとれるか。

来年の都議選はどうなるのか

都議選は来年夏に実施される予定で、あと一年ほどしかない。時の政局により大きく影響を受けるが、今回はあくまでも補選分析を結果を元に予想を立てていきたい。

まずは前回の結果について。

https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/togisen/2017/#skh_1317

都民ファ旋風の影響もあり、音喜多氏がトップ当選。2位が公明で3位が共産現職が当選した。自民党の都議会幹事長を務めていた高木さんは落選した。(17年衆院選で比例区にて当選)

ちなみに今回の補選は17年の本選と投票率がほぼ変わらないために比較しやすい。では考察していきたいと思う。

まず、来年に行われる都議選では自民・公明・共産・維新・立憲 は確実に候補者を擁立してくる。政党別にみていこう。

自民党は今回当選した山田加奈子さんを擁立するであろうが、公明党が独自候補を擁立することにより、公明推薦無しの単独で戦わざるを得なくなる。つまり、山田さんは単純計算で公明票3万超を失うことになり今回と同程度の投票率ならば25000票程度しか獲得できなくなることになり、厳しい戦いを強いられる可能性が極めて高い。

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公明党は、都議選全勝が絶対条件でありさらに同党の議員が衆院東京12区(北区中心)で選出されていることから、まず落とすような選挙戦を戦うことはあり得ない。(北区で公明候補が落選ならば大げさかもしれないが都連執行部辞任案件ではないか。)創価学会票は強固である。

立憲は今回あくまでも共産票が乗り善戦しただけであるため、共産候補が出馬した場合は得票数が大幅に減ることはほぼ確実だ。

維新は補選で本選の当選ラインを上回っている事に加えて、今回都民ファーストに吸収されたであろう第三極票の大半を取り込める可能性が高い。本選では前回の音喜多票(約50000)には届かなくとも得票数を伸ばし当選ラインに入るのではないか。

共産党も基礎票が30000近くあるために、自民や公明と議席獲得を巡り接戦を強いられるだろう。左派票をどれだけ固めることができるのか注目だ。

以上より、来年の本選では維新>公明≧共産、自民>>立憲 というような結果になると予想を立てることができる。ただし都議選はその時の政局により大きく左右されるために断言はできないが…

また、間もなく行われるであろう衆院選も注目である。東京12区では公明、維新、共産の三つ巴の戦いが繰り広げられ、結果は都議選にも大きく影響してくるだろう。

東京・北区の選挙情勢に目が離せない。

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