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【都議選】序盤情勢・世論調査の結果と読み解き方・解説について

自公で都議会過半数へ・・・情勢調査の結果とは

先週土曜日に告示日を迎えた東京都議選。選挙戦は四日目を迎え、各マスコミなどが選挙の情勢を探るべく情勢調査や世論調査にて都民の動向を探り、各調査の結果が昨日の夜から今日にかけて公表された。各社の調査によると、都議会第1党の都民ファーストの会は大幅議席減少の可能性が高く、自民党が健闘するとのこと。立憲民主党や共産党は議席を伸ばすとの予想となっている。また現時点では自民党が議会第1党を伺う勢いであり、公明党と合わせて4年ぶりに都議会過半数を奪還する見込みとなっている。

都議選は複数区が多く、情勢調査にて幅が生じてしまうことは事実ではあるが、毎日新聞の情勢調査によると都民ファは現有の45議席を大きく下回る5議席〜22議席と議席を半分以下に減らし、自民党は43〜55議席と倍増させる可能性がある。また、立憲民主党が12議席〜21議席となり、現有勢力の8議席から倍増する可能性がある。共産党は微増、東京の地域政党である、東京生活者ネットワークは1〜3議席、日本維新の会は0〜2議席となっている。無所属は1〜3議席。

れいわ新選組、国民民主党、旧N国系の新党「嵐の党」(古い政党から国民を守る党)やその他の政治団体は議席獲得の目処が立っていない。

各党ごとの情勢解説

このような情勢の背景には、高支持率を誇る小池知事の支持層が都民ファーストや自民党などに投票先が分散していることが挙げられ、知事の支持層の半数超をまとめた4年前の都議選と違った傾向が見られると伺える。

苦戦を強いられる都民ファーストの会は、巻き返しを図るべく小池知事との連携を強化していきたい考えであるが、小池氏は体調を崩し療養中。街頭に立って有権者に支持を訴えることができる状況ではないはずだ。また小池氏は都議選後の議会運営を円滑に行うために自民党公明党を刺激させたくはないはずだ。そのために仮に知事が復活したとしても都民ファーストは見捨てるのではないかとも考えられている。

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自民党は公明党と選挙協力を展開し一人区や複数区でも大半の候補者が優勢。ただし複数区では練馬区などで自民議員の不祥事がどう影響されるのか注目される。また、公明党は立候補者全員が当選する可能性が残されているが、2〜3人区の一部で苦戦を強いられており、機関紙「公明新聞」では未だ候補者が「圏外」と連日報道し危機感を支持者にあおっている。

立憲民主党と共産党は選挙協力を展開し、定数が少ない選挙区では候補者を棲み分けておりその戦法が一部有利に作用している。その為に両党とも議席を伸ばす予想だ。

日本維新の会は国政選挙の候補予定者がいる区を中心に候補者を擁立。元都議で現職の参院議員の地盤を有する地域などで議席を獲得する可能性があるが未だ0議席で終わる可能性もあるだろう。

世論調査と情勢調査の違いとは

毎日新聞が行ったのは情勢調査。しかし他のマスコミ(朝日新聞など)は都内全体の世論調査を実施し東京都民の政治的意識を探った。しかし、昨日はこの世論調査の結果が報道されると特にインターネット上のコメントではその調査を過大に評価している者が多く存在する。

ここで誤解しないで頂きたいのは、あくまでも朝日新聞や共同通信が行った調査は「世論調査」であって「情勢調査」ではない。

世論調査とは、調査数1000人前後であくまでもその地域全体の政治的動向を探るものであり選挙結果を調査し検討するものではない。一方情勢調査は今回の毎日新聞社の実施したもののように、選挙区ごとに膨大な数のサンプルをとり、(今回の毎日では都内でサンプル2万超、国政選挙では全国で5万〜となるのが通例だ)独自の計算式や取材情報を加味して選挙結果を予想するものである。

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つまり、昨日から今日にかけて公表された調査で「選挙結果を予想できる調査」は毎日新聞等の「情勢調査」と名付けられたものであり、都民全体の政治的動向を探ることができる調査は「世論調査」であるということだ。

以上の違いがあるために、都議選の情勢を占い判断するときには注意をしていただきたいと思っている。

各マスコミ報道等に惑わされずに投票を

都議選は来月4日に投開票が行われる。ぜひ都民の皆様は各マスコミ等が流す情報や調査に惑わされることなく投票所に足を運んで頂きたいと思っている。貴方の1票で東京の未来は変わります。

(参考)

都議選情勢 自公、過半数の勢い 都民フ、大幅減か

都議選、自民が第1党奪還の勢い 都民ファースト後退か、電話調査

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1件のコメント

[…] 告示後、都議選情勢調査によると、自民党が都議会第1党を獲得し選挙協力を共にする公明党と合わせて都議…であると各社軒並み報じていた。また、告示前後に業界関係者等に流出した「自民党調査」と題する都議選情勢調査でも似たような傾向が見られ、自民党が議席を大きく伸ばすことに加え、都民ファーストの会が最悪議席が1桁台に沈む可能性があると指摘されていた。自民党情勢調査結果は以下の画像より。 […]