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衆院解散、総選挙へー 各党の公約と政策を分析(②野党編 立憲民主党・共産党)

岸田首相の就任もつかの間、衆議院が解散され、総選挙が行われることになった。

政権維持に腐心する自民党・公明党、「野党共闘」で政権交代を目指す立憲民主党・共産党・社民党・れいわ新選組、そして第3極として是々非々の政治を行うとする日本維新の会、野党共闘と距離を置いた国民民主党。

4年ぶりとなる総選挙。各党は国民の信を得ようと、現金給付などをはじめとした目玉政策を掲げた。

このシリーズでは、主要政党の政策・考え方を以下のように分けて紹介する。各党のホームページや衆議院総選挙特設ページのリンクも記しているので、参考願いたい。

 ①与党編(自民党・公明党)

 ②野党編(立憲民主党・共産党)

 ③野党編(日本維新の会・国民民主党)

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今回の記事では ②野党編 として、立憲民主党・共産党を取り上げる。野党共闘の要として、政権与党に対峙している2党は、政権獲得に向けてどのような政策を掲げ選挙を戦うのだろうか。


政策比較(野党編①)

今回は、左派野党である立憲民主党、共産党の政策を分析する。

立憲民主党と共産党は、現政権に対抗する野党共闘の中心的存在であり、今回もほぼすべての選挙区で候補者調整を行った。

しかし、勝利した際の政権構想については、あくまでも「限定的な閣外協力」にとどめている。

立憲民主党枝野幸男代表は9月30日、共産党志位和夫委員長と国会内で会談し、次の衆院選で立憲が政権を取った場合、一部の政策の実現について「限定的な閣外からの協力」をすることで一致した。

朝日新聞より

さて、両者の政策だが、上図の比較ではおおむね一致している。

しかし、根本的な方針はどうだろうか。共産党は文字通り共産主義を目指す政党であり、立憲民主党の立場とは明らかに異なる。また、日米同盟など、外交防衛面でもその差は顕著だ。共産党が政権にかかわってくることになれば、国の方針はどうなっていくのか。

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この両者が今後、どのような政権構想を打ち出してくるのかにも注目だ。

立憲民主党

野党第一党である立憲民主党は、政権与党である自民党・公明党に真っ向から対峙する。

比例投票先を問う各社の世論調査では、おおむね10%前後とやや低調が目立つが、告示前よりは議席を大幅に増やし、100議席を超える見通しだ。

「反与党」派の票をまとめ上げたいところだろうが、共産党との連携がマイナスに作用している可能性がある。主に国民民主党や立憲民主党を支援する連合(日本労働組合総連合会)の新代表に就任した芳野代表は、立憲民主党と共産党の閣外協力を軸とする政権構想に不快感を示した。

連合の芳野友子新会長は7日、東京都内で記者会見し、衆院選後に立憲民主党中心の政権が樹立された場合、共産党は「限定的な閣外からの協力」をするとした立共党首合意について、「共産の閣外協力はあり得ない。(立民の)連合推薦候補にも共産が両党合意を盾に、共産の政策をねじ込もうという動きがある」と述べ、不快感を示した。

JIJI.COM より

前章でも触れたが、共産党と連携することにより、立憲民主党のカラーが出しづらくなってしまう可能性があるのではないか。このことが、反与党の保守層の取り込みができていない要因ともいえるだろう。

今回の総選挙でのスローガンは「変えよう。」と、シンプルな言葉に纏められた。

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テーマとして掲げたのは、「一億総中流社会の復活」である。コロナ禍の緊急支援策として、年収1000万円未満の個人を対象に所得税の実質的な1年間免除、低所得者に対する現金給付(年額12万円)を行う方針を打ち出し、「分配重視」の姿勢を強調した。

憲法9条改正(自民党案)には反対とするものの、国民の利益になる改正であれば賛成する可能性を示唆。

また、人権・ジェンダーの観点から、選択的夫婦別姓制度や同性婚制度にも賛成する。

共産党

立憲民主党とともに、野党共闘の一角をなす共産党。

かねてより独自路線を進んでおり崩してこなかった姿勢は、今になって崩れつつある。

共産党の田村智子政策委員長は9日の記者会見で、党綱領で掲げている日米安保条約の「廃棄」について、次期衆院選政権公約には盛り込まない考えを示した。

朝日新聞デジタルより

共産党は長らく「日米同盟」に反対してきた。同時に、日米安保条約(日本の防衛に関するアメリカとの条約)の破棄を掲げ、対米自立を目指していた。

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しかし、野党共闘の他政党は日米同盟を堅持すべき、との立場であり、共産党も反米をトーンダウンせざるを得なかったのだろう。「ブレない党の基礎」(党公式HPより)はどこに行ったのだろうか。

野党共闘が「野合」であるといわれても仕方がないだろう。この指摘は自民党・公明党にも当てはまるが、共産党に関してはそれ以上である。与党に対抗し、政権を目指す勢力として健全なありかたなのだろうか。

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