政府、1都3県に緊急事態宣言を検討 補償と自粛警察への対処が必要だ

 菅義偉首相は、知事から要請を受けた1都3県の緊急事態宣言を発出することを検討していると、4日午前の会見にて明らかにした。さらに、首相は5日、緊急事態宣言を7日に発出する方針を表明した。期間は9日から1か月程度を検討されている。

 前回4月にも緊急事態宣言は発出されたが、発出後感染者をピークオフさせることに成功した。その一方で、4~6月のGDPは、年率27.8%の減少と、過去最大の落ち込みとなった。したがって、緊急事態宣言によってこれ以上の感染拡大・重症者の増加に歯止めがかかると期待する声がある一方で、再度の経済の落ち込みも懸念されている。

与野党の猿芝居に、国民は、警戒すべき

 ところが、2大政党は、国民の危機に対しても、どこ吹く風だ。自民党は、1月18日に国会召集という日程を、現時点で変えるつもりはないようである。緊急事態宣言のため、新たな補償が必要となる場面であるにもかかわらず、対応が後手に回ってしまっている。菅政権のコロナ対策は、全く評価することができない。

 そのような与党を質すべきなのは、野党である。野党第1党の立憲民主党・枝野幸男代表は、先月23日に、新型コロナ特措法改正問題について、次のように述べている。「ようやく特措法改正について何か議論が始まったそうでありますが、我々はずっと必要じゃないかと、この数か月申し上げてきて臨時国会で法案をすでに提出しています。明日にでも臨時国会を開いてですね、審議していただければ、通常国会の前までに成立させることできますよ」

 ところが、立憲民主党の安住国対委員長は、自民党森山国対委員長と、特措法改正を2月はじめまでに行うことで一致した。つまり、立憲民主党は、代表が年末に言ったことを、年明けに180度ひっくり返したのである。紅白を観て除夜の鐘を聴けば、国民は、煩悩と一緒に枝野氏が言ったことも忘れ去るとでも考えたのだろうか。しかし情報化社会が進み、過去の発言に一般国民でも容易にアクセスできるようになった現代では、そのような手法は通用しないと忠告しておく。

 危機を煽っている割には、与野党第1党はともにやる気が無いのである。すべて国対政治による猿芝居であり、パフォーマンスの域を超えていないのだ。

立憲民主以外の野党が活躍

 その間に、日本維新の会や国民民主党は、それぞれ立憲民主党や他の左派野党を超える案を提案している。

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 維新は、12月2日、新型コロナ特措法改正案を、政府に提言した。その内容の要点は、①クラスター発生のおそれのある施設に対する、使用制限の要請・指示に従わなかった場合、罰則付きの使用停止「命令」と、「命令」対象事業者の「公表」を可能とすること、②施設の使用制限に従った事業者に対して補償措置を講ずることである。維新は、衆議院の議席数が足りなかったため、法案提出を断念したと考えられる。

 国民民主は、12月2日、特措法改正案の独自案を参議院に提出した。その内容は、維新に近いものであり、左派野党の案よりもさらに踏み込んだものである。その要点は、①指示に従わない場合には、拒否したら罰則可能な命令を発令できること、②指示や命令に従った事業者に給付金を支給することを、国の責任とすることである。

 両党の案は、指示と補償をセットにしたものであり、評価に値する。政府には、当面生活するのに必要な補償を行うことを明示した上で、罰則付きの特措法改正案を検討してほしい。なお、立憲民主党は、罰則付きの命令に依然として慎重姿勢を崩していないが、その背景には、共産党との共闘関係を維持したいという意図があるものと考えられる。

定額給付金と持続化給付金再支給を、アナウンスすべき

 とはいえ、いくら維新や国民民主が法案提出や提言を繰り返しても、2大政党が上記のような体たらくであるため、国民がコロナ感染拡大に対して危機感を持っていないのも仕方がない。それにもかかわらず、「自粛」ばかりが要請されて補償がアナウンスされていなければ、国民が危機感を共有できず、自粛に応じる人の方が少なくなるのが、目に見えている。

 そのような事態を未然に防ぐには、今週中に、定額給付金の支給と持続化給付金の再支給をやると宣言すべきである。定額給付金は、期日までに変更の申請や住民票の移動が無い限り、1度目の10万円を振り込んだ口座に再度振り込めば良い。時間は、そこまでかからないはずである。一方、持続化給付金は、対象を広げて、再度の支給を行うべきである。

 今のままでは、経済も落ち込み、感染も拡大することとなりかねない。財務省や自民党内増税派は、これ以上の財政支出に反対している。しかし、各国とも財政規律を一時的に無視して財政出動をしているこの状況下で、反対派に押し切られ必要な補償ができないような政権であれば、退陣した上で、下野すべきである。菅政権のコロナ対策に対する本気度が、今試されている。

「自粛警察」を取り締まるべき

 一方で、昨年の緊急事態宣言中は、「自粛警察」が話題となった。マスコミが自粛に協力しない企業を報道したり、SNSに外出の様子をアップした人がバッシングに遭ったりすることがあった。自粛要請や命令の発出は、権力を授権された政府のみが行え、行うべきものである。そして、権限のないマスコミや私人が、それを行うのは、ただの不法行為に他ならない。憲政史研究者の倉山満氏など、一部の論客が「自粛警察」への対応を求めているが、これに対しては、どの政党も問題意識を表明していない。

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 民法709条(不法行為)の特別規定を作るなどして、自粛しない人を勝手に取り締まろうとする「自粛警察」を取り締まる立法を行うべきである。

 

 

 

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大学院生2年目です。法律や経済など幅広く投稿します。

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