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髙橋洋一氏の「さざ波」ツイートを政局に利用するな!

 今月9日、内閣官房参与の髙橋洋一氏が自身のTwitter上で、新型コロナウイルスの新規感染者数を主要国間で比較したグラフを添付した上で、「日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑」という投稿(https://onl.tw/hPr9h1Y )をした事に対し、「一人ひとりの命が失われていくことに対し、笑笑って…人の命をなんだと思ってるのですか」(「日本はさざ波、五輪中止とか笑」内閣参与の投稿に批判 – 東京オリンピック [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (asahi.com)より)といった批判がネット上で広がり、マスメディアでも大々的に報じられました。このような批判に対して、髙橋氏は自身のYouTubeチャンネルで反論を行い(詳細は後述)、この件は一件落着したかのように見えました。

 しかし本日14日、衆議院内閣委員会において立憲民主党が上記の投稿の真意を正すことを目的に参考人招致を求めた事に与党側が応じなかった為、反発した立憲民主党と共産党が退席するという一幕がありました(立民 共産 委員会を退席 “さざ波”投稿の参与招致せずに反発 | 菅内閣 | NHKニュース)。髙橋氏の投稿には賛否両論があれど(筆者は肯定的な立場)、それを理由に審議拒否を行うのは言語同断ではないでしょうか。そこで今回は、改めて髙橋氏のツイートの真意を確認すると共に、立憲民主党や共産党の行動に対する問題提起をしていきます。

1.「さざ波」ツイートの真意

 髙橋氏は、自身のYouTubeチャンネルにてツイートへの批判に対して、以下のような反論をされています。

 ご案内のように、投稿されたグラフは、新型コロナウイルスによる死亡者数ではなく、新規感染者数を表したものであり、上記の反論を鑑みれば、髙橋氏の発言は人命を軽視したものでは無く、国際比較をせずに東京五輪中止を主張する人達へのアンチテーゼであったと言えるでしょう。そして、皮肉にもそのような方々がツイートに対して批判しているのです。

 確かに、コロナ禍で世の中がセンチメンタルになっている中で、「さざ波」という表現は誤解を招くものであったのは否めませんが、本人が人命を軽視したものでは無いと発言されており、かつ今後表現については見直すとされているのですから、これ以上批判する余地は無いはずです。しかし、前述のようにツイートへの批判を政局にまで利用する政党が出てきてしまいました。

2.やりたい放題の立憲民主党

 与党側が髙橋氏の参考人招致に応じなかった為に衆議院内閣員会を途中退席した立憲民主党は、髙橋氏の出席が無ければ審議に復帰できないと主張し、同党の今井雅人筆頭理事は記者団に髙橋氏の辞任を求めていくと発言したのです。(立民・共産、内閣委を途中退席 高橋参与の出席要求 | 共同通信 (kiji.is)

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 前述のように、髙橋氏は既にYouTube上で真意を説明しており(マスメディアの取材に応じないのは、切り取り報道を避ける為)、他になにを正すというのでしょうか。昨日も事前に届け出をしていた三原じゅん子厚生労働副大臣が遅参したことに立憲民主党等が猛反発した結果、法案審議が中断してしまったという一幕もありました。結局、立憲民主党は髙橋氏のツイートを菅政権批判の政局に利用しているだけです。

 そして、このコロナ禍の中で、ある種のスケープゴートとして利用されているのは今回だけではありません。東京五輪開催反対のムーブメントの中、女性蔑視発言で東京五輪組織委員会の会長職を追われた森喜朗元会長、東京五輪代表に内定している競泳の池江璃花子選手への心ないバッシング(オリンピック開催反対派による池江璃花子選手への強要・攻撃が酷すぎる | おとな研究所 (otonaken.com))、そして今回の髙橋氏のツイートへの批判。確かに、過剰とも言える自粛を強いられている中で、五輪開催に疑問を持つ心情は理解出来ますが、かといってその不満を誰かにぶつけたところで何も変わらないはずです。

3.立憲民主党は本当の意味でツイートを重く受け止めろ!

 5月11日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」において玉川徹氏が、ツイートへの批判として「内閣官房参与は総理に直接会って助言する立場。総理は助言を得るため国税を使って任命している」といった発言をする一幕がありました。それに対して髙橋氏は、これまた自身のYouTubeチャンネルにて、経費は貰っておらず、内閣官房参与としての職務に対する国費はかかっていないと述べています。即ち、髙橋氏はボランティアとして職務を行っているのです。

 また、別の動画では自分の職業の倫理上、株式を買うことはしないとも語っています。(https://youtu.be/Pli1rxKk9Uc)東京大学理学部数学科を卒業し、旧大蔵省に入省、入省後は郵政民営化等に携わり、様々な政策を立案してきた華々しい経歴を持つ髙橋氏。そんな氏がお金儲けに専念すればいくれでも稼ぐことが出来たはずです。しかし、そういった私利私欲よりも国家・国民の為に内閣を支えている髙橋氏こそが、口だけの立憲民主党の議員やコメンテーターと違い、本当の意味で国家・国民の為に働いていると言えるのではないでしょうか。そんな髙橋氏に対して、辞任を求めるのではなくもっと大切にしていくべきだと筆者は考えます。

 そして、立憲民主党のみならず立法府全体として、髙橋氏がツイートの際に用いたグラフについてこそ重く受け止めるべきです。世界の主要国と比較して感染者数が少なく、人口あたりの病床数は世界最多にも関わらず、なぜ医療提供体制が逼迫してしまうのか。それは、民間病床を上手く活用出来ていないからに他なりません。コロナ禍のような有事の際には、補償措置を講じた上で民間病床を接収するといったことが出来るよう、法制度を整えるのが立法府の責務では無いでしょうか。髙橋氏のツイートを批判している余裕があるのであれば、少しでも医療提供体制を改善するべく知恵を絞り出して頂きたいものです。

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