「緊急投稿」と題させていただいたが、一高校生として非常に憤慨する出来事であったため、取り上げる。
緊急事態宣言解除
政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部を首相官邸で開き、東京、神奈川、埼玉、千葉、北海道の5都道県で続いていた緊急事態宣言について、月末の期限を待たず解除した。安倍晋三首相は記者会見し、「次なるステージへ力強い一歩を踏み出す。目指すは新たな日常をつくり上げることだ」と述べ、感染防止策を講じつつ社会経済活動を段階的に本格化させるよう、国民に協力を呼び掛けた。
時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052500811&g=pol
まずもって、感染症によって命を落とされた方へお悔やみ申し上げるとともに、そのご家族に心よりお見舞い申し上げます。また、現在も医療を含めたすべての業種で働かれている方に心から感謝申し上げます。
さて、僕は今までも新型コロナウイルス関連の政府の対応については記事で多く扱ってきた。
これらの記事について、僕は一貫して政府の方針には懐疑的・批判的な立場で投稿させていただいた部分もある。ただ今回「緊急事態宣言解除」とあって、今まで以上に杜撰すぎる点があるのでしっかりと明言させていただきたい。
「教育」に関する首相の言葉は一言だけ…
先日の会見で、首相は実に20分以上にわたり演説を行ったが、彼が発したあらゆる文章のうち、「教育」に関するものは一つだけだった。
学校については、文部科学省が分散登校など再開に向けた指針を既にお示ししています。
首相会見全文 (SankeiBiz) https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200525/mca2005251912023-n1.htm
医療を含めた多くの業種への感謝・ねぎらいの言葉、さらには経済対策へのシフト、文化に携わる業界への支援の提示などは当然の内容だ。そしてそれらと同様に重要な「教育」についてももちろん言及するべきなのである。
にもかかわらず総理は、人生で最も感受性豊かな時期にあってその機会や時間を奪われ、先の見えない不安と慣れない学習環境で過ごすことを強いられている生徒・児童や保護者、教員には何も言葉を発さなかった。言ったのは一言「文科省がすでに指針出してるよ」。
思えば政府の新型コロナウイルス対策は「休校措置」が嚆矢だった。2月27日のことである。
全国の小中高、3月2日から臨時休校要請 首相
日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56131560X20C20A2MM8000/
これ以降政府は、教育や学生に対するインパクトある発信をしただろうか。
どうして国の未来を背負う僕たち学生が置いて行かれなければならないのだろうか。
「方針」は「一部解除」時のもの。最新の情報は未だ教育機関にもたらされず…
総理が発した「分散登校など再開に向けた指針」。たしかに文部科学省のHPに記載されている。
学校再開等に関するQ&A(児童・生徒の皆様、保護者の皆様へ)
文部科学省HP https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00020.html#a001
だがこれは、5月21日、つまり緊急事態宣言が「一部」解除された日のものだ。

今回解除された地域の教育機関からすれば寝耳に水なのに、改めて指針を示すことすらしないというのは如何なものだろうか。これをもって「既に示した」とするのはあまりに杜撰である。
これに関して、「今回解除された各都道府県が基準を示しているんだからいいだろ」との指摘が想定される。確かに東京都をはじめ各都道府県は再開に向けた基準を示したが、であれば国が主導して各都道府県の発信に誘導するなどの対策が必要だ。特に私立の教育機関は公立の対応に準じる以外に方策がなく、文科省から解除当日になんの情報も基準も示されないことへの擁護にはなっていない。
国の未来は、僕たち若者に重くのしかかっている。にもかかわらずこのような状況にあって、政府内で9月入学や困窮学生への給付金などの議論はあっても、マスクに代表されるスピード感に欠けた対応は常態化してしまっているのが現状だ。
甲子園の中止や各種イベントの中止、分散登校による生徒間や教員との距離感はこれから大きな問題となっていくだろう。当事者の一人として、しっかりと考えていきたい。
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