表現の自由が示す、たった一つのメッセージ -ゲストライター

ライター:茶化し隊 @voyq1VVrzPRzn3W

※この記事は、ゲストライターによる寄稿記事です。おとな研究所編集部や所属ライターが作成した記事ではありません。なお、寄稿の応募はコチラから誰でも可能です。


表現の自由が恐ろしい。普通に生きていたら思いつかないような発想だろう。あるいは独裁者にとっては、確かに表現の自由を守れと言われるのは、恐ろしい言葉かもしれない。

しかし、よくよく考えると、表現の自由というのは、それ自体は脅威ではないが、表現の自由が教えてくれる物の中には、本質的に人生というもののリスクも含まれていると私は考える。表現の自由と言えば、「民衆が勝ち取った人権」とか、「人類が大事にしないといけない権利」

今回はそんな表現の自由の強烈なメッセージを考えてみよう。

そもそも現時点でのデータってどのぐらいあるの?

まずは前提条件として、そもそもの言論というのを考えないといけない。言論というのはどのようにして生まれ書かれるか。これを知らないと表現の自由の基礎というのはわからない。

まず言葉というのは、古くから紐解けば元々はそれは「会話」だったり、もっと言えば合図だったりしたわけである。合図が会話になり、文字になることで論理というのが生まれ、言論として本が段々段々積み上がってきた。

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つまり裏を返せば人間の持ちうる知識というのが、過去から今に向かって一貫して増えていってるし、これからも「増え続ける」事が確定している。この増え続けるというのは、単純に人々が文字を交わすという以上の意味がある。それは今までにないような文章が新たに生まれることが確定しているという事だ。

では、その新しい文章というのは、何によって生まれるだろうか。端的に言えば今までの文章であり、今までのデータの蓄積のウェイトが大きい。勿論自然界の観察等、複数の情報源は或るが、それらは一度言語化されて、現実と言葉を何度も行き来したり、言葉と言葉を行き来する事で飛躍的な発展へと役に立つのだ。

例えば大阪大学が掲示している学問分野コードの数を例に取ろう。小分類で1060。この中には教養科目や卒業論文なども含まれてる他、恐らく若干重複してる部分もあるだろう。大分類の場合は152程度にまで絞り込める。それでも決して少ない数ではない。

職業の数はどれぐらいだろうか。厚生労働省の統計によると大体1万7千もの職業がある。これらの、おそらく全てに何らかの本なり、あるいは文章が必ず有り、またこれからさらに増加していく。職業の数だけ視点があるのだ。

これらの根源が言語や自由な経済活動によってのみ成り立っていると考えるとこれはとても凄いことなのだ。しかし裏を返せば永続的な表現規制を掛けた場合新業種を成立させる事がとても難しくなる。

衛生面の観点から新しいレシピの発表を規制できるか。

衛生の観点から食品の製造品目を定めたり、新しいレシピを出品する事を禁止した場合はどうなるか。PRTIMESによると、2018年11月時点で何と500万ものレシピがクックパットに登録されている。これがどれだけ凄いことかと言うと、一人が一生に喰う飯が、百年でも大体9万から10万食程度と考えれば凄いことだろう。一生かぶらない事はありえないので、通常は多くても5000種類程度だ。とは言え似たようなレシピが存在する事を考えれば、実際にはこのデータより相当少ないかもしれない。豚丼と検索すると7000件程出てくる。カレーだと飛んで10万7千件と、やはり定番だと増える傾向にある。

カレー一つとってもここまでの種類がある。ということは、裏を返せば、「コストや材料によってはこちらのほうがいい」といった正解がそれだけ在るということでもあり、複数の視点があるがゆえに、全世界で統一的なカレーの「正解」も規定できないと言える。

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完璧な経済理論は存在するか。

経済学といったジャンルも在る。このジャンルは日夜論争が繰り広げられているが、今度はWikipediaの経済学カテゴリーを引用して見てみよう。理論経済学、実証経済学、応用経済学、その他の分野に絞ってもリンク数がそれぞれ、4,3,14,5(英語版と日本語版は同一として扱う)あり、合計すると26も存在する。

そんな経済の理論の歴史の一部を見てみよう。

近代経済学の父 アダム・スミス

近代経済学の父ともいわれるアダム・スミス等の17世紀頃の経済学者は、大まかに言えば古典派と呼ばれる人たちだ。彼らが産業革命を理論的に説明し、金融の基礎を作った。

経済学者 カール・マルクス

次にマルクス主義が出てきて、資本主義の問題点を指摘。哲学的な分野にも踏み込み、簡単に言えば生産設備を資本家から労働者へと譲渡させるべきだ。といった主張がなされた。

経済学者 J・M・ケインズ

また19世紀中頃にはケインズ主義が出てきて、資本主義社会に置いて、一部国家が支援したり規制することで従来の古典派理論で説明できない部分を補完しようとした。

そのケインズ主義による政策の行き詰まりへの批判として、マネタリズムが出てきてサッチャーが政策に採用。途中よりリフレ理論を採用し、現在西側諸国ではニューケインジアン思想。所謂新自由主義を採用しているといった歴史がある。(さらにこれらへの批判として新しい理論も登場している)

それとは別に50年代頃に行動経済学が新設され、従来の経済理論の穴埋めを行おうという試みが用いられている。これらの考えをリベラルパターナリズムと呼称する場合もあるのだが、この様に経済学の歴史一つとっても、「完璧とされた理論」へ穴を見つけてより良くしようといった試みが今も行われている事が分かるだろう。

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筆者は経済学には明るくないため、どの経済学がいいだとか、これはだめだ。といった指摘はこの記事の中では行わない。しかし年を追うごとに出てきた新しい理論は、従来の理論の穴を指摘するために生まれ、またさらなる後世においてその理論のさらなる穴を指摘されて、といった繰り返しがなされていることがわかるだろう。

或いは新しい理論の欠点を従来の理論が証明しているかも知れない。これらの指摘の大多数は「別視点の存在の示唆」が根源にあると考える。例えば古典派の資本主義は労働者を犠牲にするかもしれないし、社会主義は競争を事実上放棄し、社会の停滞を生むかも知れない。ケインズ主義は裁量行政によって社会の発展の阻害要因を生み出すかもだし、或いは行動経済学によって従来の理論に出てくる人物像と現実にいる人間との違いが浮き彫りになったかも知れない。今現在最新と言われる経済理論も、社会情勢の変化によって対応が難しくなり、新しい理論が登場する可能性は十分存在する。これは他の分野の学問にも言える。つまり、どのような学問においても結論というのはある種の相対性から逃げられないのだ。

表現の自由が教えてくれること。

ここで表現の自由、言論の自由に戻る。するとあっさりと結論が出る。つまり表現の自由が否定しているのは、永遠の結論の存在、或いは絶対的な正解の存在ということになる。表現の自由は単純で「絶対的」正義と悪の関係を否定してる。とも言えるだろう。言論によって永遠に続く社会の説明書は永遠に完結しないという事だ。

正解がないのである。人生においての正解は存在してないのである。親や会社が正解を教えてくれるはずもない。教えてくれるのはあくまで今を生きる方法であって、それは変化した後には変化した後の言論を新たに知らないといけない。と言う事だ。この意味において、理論上の危険性のみを理由に規制をかけるリスクが理解できるだろう。

この意味を踏まえると、例えば自己責任という言葉も中々に残酷である。つまり、自己責任というのは、「答えと違う事をして失敗をしたこと」への責任ではなく、「答えがない空間でもがいた結果失敗をした場合」の責任も含まれるのである。これが人々にどう映るか、或いは「答えがない」という無責任に対し、どういった声が上がっているかは敢えてこの場では書かずに想像におまかせしたい。

最後に一点。表現の自由はとても脆い。なぜならば、表現の自由を「守らせる」ための規制も行えないのだ。これはその名の通り、表現の中には、表現規制の主張。までも含まれるのだ。法律を改正したり憲法を改正すれば容易にこれらの「表現を絶対に守らせる」規制は撤廃できるし、表現への民間の圧力も規制できない。

まとめ

1つ目に、言論の根源は視点にあり、前提条件に在るという事。

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2つ目に、視点の数は無限であるという事。

3つ目に、無限に存在する言論というのは、膨張をすれど、それを超えるほどの収束は存在しないと言う事。1、2、3を総合して、絶対的正義を規定できないが故に表現を規制できないと結論がつけられるという事。

4つ目に、言論の自由は、言論の自由を否定する言論も規制できない(言論の自由自体が絶対的正義たり得ないので)ために弱い存在であるという事。

これらの4つの事実のメッセージ。それは、言論というものの弱さ、人生における答えがないという事実が人々の本質的な弱さを表しているのかもしれないと、筆者は思う。

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